東北のセンターライン 大崎市

大崎市の食

  大崎市は東北の台所,肥沃な大崎平野の恵みを受けて育った米や野菜,果物といった作物が宝であり,また畜産業も盛んで,仙台牛の一大産地としても知られています。
  特にお米は「ササニシキ」「ひとめぼれ」といった品種の誕生の地であり,大豆の生産量は全国屈指となっています。
  大崎市には,これら豊富な食材からもたらされる様々な食文化や料理が根付いています。
  まずは美味しいお米と水の恵みを受け,古くから今に伝わる多くの酒蔵や味噌・醤油蔵が点在する発酵食品があります。特にお酒は全国的にも有名な「一ノ蔵」や,究極の食中酒として知られる「伯楽星」など特色ある銘酒を生み出す7つの酒蔵がある,県内屈指の酒どころとして知られています。
  また特色ある様々な料理も数多くあります。クルミやゴマを入れて味付けした味噌をしその葉で包んで揚げた,昔からの保存食である「しそ巻き」や,東の温泉横綱として知られる「鳴子温泉」の特産品である栗の甘露煮を丸ごと柔らかい餅で包んだ「栗だんご」,岩出山地域で江戸末期から伝わる「凍り豆腐」や,“幻の品種”と呼ばれる玉光デリシャスという品種から作る,甘みと酸味のバランスが良く肉厚で,一度食べたやみつきになる「デリシャストマト」,大相撲宮城野部屋直伝の「なる子ちゃんこ鍋」など,大崎市の「宝」である数々の食材から作られる様々な料理をぜひ一度お試しください。

日本酒

凍みっぱなし丼

栗だんご

なる子ちゃんこ鍋

デリシャストマト

しそ巻き

大崎市の体験

  大崎市は主要産業が一次産業であり,豊かな自然の中での米や野菜作りが盛んです。そのため,これらを活かした田植え体験やそば打ち体験,ソーセージ作りやバター作り,自然の生き物の観察会など,様々な自然体験を行うことが出来ます。中でも近年需要が高まっている農家民泊には多くの農家が参加しており,毎年各所からの視察や教育旅行の受け入れを行っています。
  また大崎市は様々な歴史文化の根付く地であり,これら伝統的な文化の一端を体験することが出来ます。
  かの伊達政宗公が青年期を過ごした岩出山地域では甲冑の試着体験や、武士の手仕事として奨励された「しの竹細工」の手作り体験を行うことが出来ますし、鳴子温泉地域には,鳴子温泉の伝統工芸品である「鳴子こけし」を作る職人の工房が点在しており,こけしの絵付け体験を行うことができます。

こけし絵付け体験

ソーセージ作り体験

そば打ち体験

田植え体験

武者体験

民泊体験

大崎市の風景

  大崎市は自然豊かな土地であり,四季折々,様々な季節の風景を楽しむことが出来ます。
  春は桜や梅や菜の花,夏はひまわり,秋はコスモスや彼岸花などの様々な季節の花を楽しむことができ,中でも高さ100mほどの断崖絶壁が2.5㎞以上に渡って続く県内屈指の紅葉スポットである鳴子峡では,紅葉シーズンになると遊歩道や見晴台から美しく赤や黄色に色づいた雄大な渓谷美を楽しむことが出来ます。
  また大崎市は天然記念物や絶滅危惧種などの貴重な動植物の宝庫であり,2つのラムサール条約登録湿地があります。その一つである蕪栗沼は,約150ヘクタールの広大な湿地で,秋から冬にかけてはマガンをはじめとする10万羽もの渡り鳥が飛来する越冬地として有名です。冬の朝,10万羽のマガンが地響きのような音をたてて舞い上がり,空一面を覆い尽くす景色には,誰もが圧倒されます。なおその周辺の田んぼでは,渡り鳥が飛来する冬の間,田んぼに水を張ることで渡り鳥がそこに降り立ち,その排泄物を天然の肥料とすることで,環境にやさしい米づくりを行っているというように,自然と共生した取り組みを進めています。

コスモス(松山)

ひまわりの丘(夏)

潟沼

桜(加護坊山)

蕪栗沼

鳴子峡

大崎市の歴史文化

  大崎市は様々な歴史文化が根付いた地です。
  東の温泉横綱として有名な鳴子温泉郷は,温泉の発見は承和4年(837年)頃と言われ,1,000年を超える歴史と伝統を持つ温泉郷です。日本に存在する温泉の泉質10種類中8種類を備えており,色も違えば感触も効用も違う,多種多様な温泉が魅力の1大温泉郷です。

  また松尾芭蕉の奥の細道ゆかりの地としても有名で,芭蕉が訪れた際に役人の取り締まりに難儀した「尿前(しとまえ)の関」跡や,平安朝の昔から歌枕として使われた景勝地である「美豆の小島(みずのこじま)」など,現在も当時の面影を感じることが出来ます。
  また大崎市には伝統工芸品も数多くあり,なかでも「しの竹細工」「鳴子こけし」「鳴子漆器」などが有名です。
  「しの竹細工」は,伊達家が武士の手仕事として奨励したことから始まり,300年の歴史を持ちます。柔軟で弾力がある「しの竹」の特徴を活かした製品で,なめらかな表皮を内側に編み込むことで,手なじみも抜群です。
  「鳴子こけし」は。江戸時代,お椀やお盆を挽く木地師が,子どものための玩具として作り与えたのが始まりとされています。首を回すとキュッキュッとなるのが一番の特徴で,胴には重ね菊という模様が描かれており,華やかさと可憐さに満ちたデザインとなっています。
  「鳴子漆器」は,380年前,伊達政宗公の命により始まったとされています。塗りは木目を生かした木地呂塗やふき漆仕上げ,また独特の墨流しの技法である竜文塗などがあり,職人が一つひとつ手間を惜しまず丁寧に製作しているため,時とともに光沢を増していく逸品です。

しの竹細工

奥の細道-尿前の関跡

温泉-滝の湯外観

鳴子漆器

鳴子伝統こけし

旧有備館